建物の登記には、登記簿の表題部に記載されている所在・種類・構造・床⾯積を変更・更正する登記のほか、新たに登記記録を創設する登記があります。
- 【所在】 建物が存在する土地の所在と地番が記載されます。
- 【家屋番号】地番区域ごとに、建物が存在する土地の地番と同一の番号をもって定められます。
- 【種類】建物の主な用途のことで、居宅、事務所、工場、共同住宅などがあります。
- 【構造】建物の主な部分の【1】構成材料、【2】屋根の種類、【3】階数の3要素で構成されており、「木造かわらぶき2階建」のように表⽰します。
- 【床⾯積】建物の水平投影面積を、各階ごとに㎡単位で記載されます。
建物表題登記
このような場合に実施します
- 建物を新築された方
- 建売住宅を購入したとき
所在・種類・構造・床面積など建物の物理的な状況を、法務局の登記簿に登録する登記のことを建物表題登記といいます。建物表題登記を行うと、建物の所有者や新築年月日なども登記記録に登録されます。
目的とする用途として使用できる状態にまで⼯事が進み、完成した建物に準じて取引されるような段階に達すれば、建物表題登記は可能となります。
建物表題変更登記
このような場合に実施します
- 建物の屋根の材質を変更した場合
- 増改築した場合
所在・種類・構造・床面積など建物の物理的な状況に変更が生じたときに、登記簿を現況に合致させるために行う登記のことを建物表題変更登記といいます。
主である建物の居宅に附属建物の物置などを新築したときも、建物表題変更登記を行います。
建物滅失登記
このような場合に実施します
- 建物の取壊しをされた方
- 天災などで建物が消失してしまった方
建物が、解体工事や火災などで現地に存在しなくなった場合に、法務局の登記簿を閉鎖する登記のことを建物滅失登記といいます。
稀に、⾃分の土地に、数十年前に取壊された建物の登記が残っており、その名義人が居所の分からない他人であるというケースでも、建物滅失登記は可能です。
(その場合、事前に調査や法務局への申し出が必要となります。)
その他の登記
- 建物分割登記登記簿上1個の建物を数個の建物とする登記です。(主である建物から附属建物を切り離して別個独立の建物とする。)
- 建物区分登記1棟の建物を区分して数個の建物(区分建物)とする登記です。
- 建物合併登記登記簿上数個の建物を1個の建物とする登記です。(主である建物と附属建物との関係にする。)
- 建物合体登記数個の建物が、増築等により構造上1個の建物となったときに行う登記です。
- 区分建物表題登記マンションなど共同住宅を新築したときに、原始取得者が行う登記です。
- 区分建物表題変更登記区分建物の所在・種類・構造・床面積等が変更になったときに行う登記です。
- 区分建物滅失登記マンションなど共同住宅を取壊したり焼失したときに行う登記です
- 区分建物区分登記登記簿上1個の区分建物を数個の区分建物とする登記です。
- 区分建物合併登記登記簿上数個の区分建物を1個の区分建物とする登記です。
- 区分建物合体登記数個の隣接している区分建物の間の壁を取壊して1個の区分建物としたときなどに行う登記です。
- 敷地権の変更・更正・抹消登記敷地権が変更になったり、当初から間違っていたり、或いは消滅したときに行う登記です。
- 共用部分たる旨の登記専有部分を共同利用の目的に供するために、規約によって共用部分としたときに行う登記です。
業務の流れ
各業務によって、流れや内容は異なりますが、建物の調査測量・登記を行うものは、おおむね以下の通りとなります。
よくあるご質問
- 費用はいくらくらいになりますか?
- 建物の登記の費用目安として60,000円~100,000円前後となります。建物や手続きによって、作業内容が異なるため、明確な料金提示は、ご相談を頂いてからとなります。
- 家を新築しましたが、登記まですべて行っていただけますか?
- 建物表題登記までは行いますが、その後の所有権保存登記や、金融機関からの融資に必要な抵当権設定登記などは、司法書士の職域となりますので、当事務所のパートナーの司法書士をご紹介いたします。
- 自分の土地の登記簿上に、他人名義の建物が残っている場合でも対応できますか?
- このようなケースでは、次のような状況が多く見られます。・以前いた借地人が滅失登記をしていない。・今ではもうわからない古い建物の登記が滅失されずに登記簿上残っている。この場合、まず、建物滅失登記が必要です。建物滅失登記の際には、基本的には名義人が必要ですので、名義人を探します。しかし、探しても見つからない、あるいは協力してもらえない場合もあります。その場合は、法務局と相談し、利害関係人である土地所有者から滅失登記の申出をすることで可能となります。